新型コロナウィルス蔓延後、年度ベースで初となる上場企業の3月期決算が揃った。1683社の総利益は前年28%増の28兆円とコロナ前の19年3月期(33兆円)の約8割の水準まで回復した。
21年3月期決算のポイントとして次の8つを挙げている。
1.全36業種中、通信などを除く32業種が減収
2.一転、3年ぶりの最終増益に
3.8割超の企業で純利益が上振れ
4.非製造業、6社に1社が赤字
5.鉄道、空運の赤字は過去最大の2兆円超
6.4年ぶりの減収増益決算
7.増益は半数弱で「K字型」鮮明に
8.SBGの純利益5兆円、国内で最大に
ということで上場企業の業績に対するソフトバンクグループ(SBG)の影響が増している。
約5兆円の純利益は、上場企業全体の純利益に占めるSBG比率は18%になる。非製造業(金融を含む)の中では32%に達している。
非製造業の純利益はSBGを含めれば20%増益だが、除くと24%減益だった。全産業でもSBGを除くと1%減益となる。
これだけの利益をSBGが出すと上場会社の指標自体が変化し、その影響によって左右されるという課題も出てきている。