今月の学び(2021.6 №43)

後継者が親の仕事を継がない時代 

現在(2021年6月)、コロナウイルスの襲来で、世界中そして日本もテンヤワンヤである。

こんなに工業化、情報化が発展してもコロナウイルスに翻弄されることなど、誰が想像しただろうか?

そして経済的にみると1年数カ月も私流に言うと「飲む、食べる、動く、泊まる、交わる」といったビジネス、業種はほとんど機能していない。売上は2019年比でも50%以上の減である。

経営を常識的に考えれば倒産してもおかしくない状況だ。それは「国が補助金、給付金」などを出して支援しているからであり、銀行も考えられないほど緩い条件で資金繰りをバックアップしているからである。

しかしそんな状況下で廃業などが中小・零細会社で多数出ている。

その最大の理由は二つ、一つは「資金繰り」である。これ以上借金しても先が見えない。

もう一つは「後継者がいない」ということ。後継者問題はオーナー企業であろうが、そうでない企業であろうと、常に重要な課題である。

2000年代に入って日本M&Aセンターのような会社の売買(M&A)を主業務とする会社が何社も誕生している。金融機関もビジネスとしてするようになった。

このような会社の業務の中で「後継者がいないから会社を売る」というのがかなりのウエイトを占めている。

以前だったら、会社を売るという行為は日本では「恥の一つ」として経営者が考えていたのだが、今や当たり前になっている。

では何故、身内である子どもたちが親の会社や商売を継がないのか。

この点について拙著「大変革期 勝ち残りの決め手」(総合法令/1995年刊)に書いている。

<後継者の立場にある人が親の後を継がない要因>

  1. 親の仕事に魅力がない
  2. 親の苦労を小さい時から見ていて、責任ある立場で仕事をするのは嫌だ
  3. 責任ある立場で仕事するより、気楽なサラリーマン生活を送った方が楽だ
  4. 小さな会社や店の後を継ぐより、大きな会社に入って安定を求めるか、チャンスを求めた方がよい
  5. せっかく大学を出たのだから、自分の学歴を活かせる会社に入った方がよい

である。後継者問題を抱えている方、さて、どうでしょうか?