「ワダのその時、思ったこと、感じたこと」 (2021/7/14 №80)

ユニクロと国際人権リスクは他人事ではない

グローバル企業に人権侵害問題に伴う新たな国際リスクが経営課題として浮上してきた。それを端的に示したのが米国の税関当局による「ユニクロ」の輸入差し止めである。

米国は2021年1月に中国の新疆ウィグル自治区で生産された綿製品の輸入を禁じると発表した。少数民族ウィグル族に対する強制労働が行われているとの理由からだ。ユニクロ側は原材料の原産地証明書類や紡績から縫製にいたる生産工程などの情報を提示したが、認められなかった。

背景には米中の政治的対立もあると言われているが、企業は人権や差別、環境など社会的課題を侵害していないことを確認し、公表することがこれまで以上に重要になっている一つの例である。

SDG’sやESGなど投資ファンドや株主もこのような視点から企業評価をし始めている。そのうち中小企業にもこの波はやってくるだろう。

中国産の綿花の8割はウイグルで生産される Photo: China Photos / Getty Images