後を継ぐ人、リーダーになる人の心構え、十ヶ条
今月も後継者のこと、そして先代の後を継ぐ人の心構えについて書く。
もう30年も前の話であるが、野村証券で「伝説の営業マン」と呼ばれた後藤光男さんという方にお会いしたことはコンサルタント業に身を置く私にとって経営ジャンルの仕事の中で株式上場とかM&Aということを知り、そして自分もそのことに多少なり携わることになる上で、大変勉強になり、会社の見方が拡がった。
当時、後藤さんは野村証券の関連会社のベンチャーキャピタル会社、日本合同ファイナンス(ジャフコ)の専務をされていて、新しいジャンルの業界、コンピュータソフトウェア会社、消費者金融会社などの上場に尽力されていた。
同時に今や当たり前になっているが、企業の買収や合併などの支援をする野村企業情報などの社長もされていた。
そして後藤さんがM&Aの中で中小の会社も対象としていて「皆さん、後継者として頼りないし、後を継がせるか迷っているし、悩んでいる」とよく話していました。そんな事もあり、私なりにまとめたのが次の「後を継ぐ人、リーダーになる人の心構え 十ヶ条」である。
参考にしていただきたい。
後を継ぐ人、リーダ丨になる人の心構え 十カ条
- 人任せ、行政任せではなく、自分がやらなければ世の中も良くならないと思って、前向きに経営に取り組んで欲しい
- 「想いは実現する」という通り、人間にとって、どんなことでもまず「ああなりたい!」「こうしたい!」という想いを持たなければ意識が働かない。想いを持つことによって、まず実現への行動が始まることになる。ぜひ、後を継ぐリーダーとして自分の会社を前向きに「どうなりたいのか」「どのようにしたいのか」を考えて欲しい。そして行動に移して欲しい
- 先代創業者の後を継ぐということは、有形無形の資産を継ぐことになる。「これはありがたい!」という感謝の気持ちで肩の力を抜き、引き受ける気持ちが大切。そしてまずどうしたら先代とうまくやっていけるかをプラス志向で考えるべきである。先代の良い点を見るようにして欲しい
- 「自分は、先代創業者と相性が良くない。きっとそのやり方や考え方に批判的になってしまう」と思っていたら、初めから一緒にやらない方が良い。そうでないとお互いが不幸になる。もしあなたに独立志向があるなら、初めから自分でリスクを負ってやるべきである
- これからの時代は、オーナー権力では人はついてこない。かといって、リーダーとして明確な意志を表現していかなければ人はついてこない。自主性と統率力のバランスが大事である
- 常に向上心を持って、自分を高める努力を忘れないこと。経営者は誰よりも勉強をし、不屈の精神力をつけていかなければならない
- 時代は確実に情報化時代に入る。若きリーダーは新しい流れの中でコンピュータやマルチメディアに関する知識を持たなければならない
- 21世紀はアジアの時代である。すでに国際化という言葉は日常語になりつつある。新しい時代の到来の中でアジアを見て、自分の会社を見る。そこで何をしなければならないかが見えてくる
- これからの会社経営は中途半端が一番ダメ。家業経営はそれなりに生きる道はある。自分の力を知ることが大切である。そしてあきらめないことである
- 自分の生まれた環境をグチるより、自分の生きていることにまず感謝をし、そして経営の中枢にいることを誇りに思い、経営を、商売を好きになること。好きになれば大概のことには耐えられるものである