和田の本棚(2021.7 №45)

 

和田の本棚

和田の書棚から「気になった一冊」をとりあげて紹介いたします。

著者:川北義則

発行所:三笠書房

2013年7月15日第1刷発行

定価:952円(税別)

<本紹介>

魅力的な人間になるためには、何が必要か。それにはまず、「人間的魅力とは何か」をきちんと理解しておく必要がある。目には見えない、人を惹きつける力、それが人間的魅力だ。魅力がなければ、他に何があっても意味がない。なぜ、〝あの人〟に人がついていくのかー。新しい世界が見えてくる。

<気になった言葉>

〇「不幸のどん底にいる人と、幸せの絶頂にいる人が隣り合わせで路上に立つことが、世の中では起こり得る。だから大人はハシャグなというのだ」…こういう考え方、なまなかな人生経験からは出てこない。そこが魅力なのだ。「ろくでなしを安易にバカにするなかれ」といいたい(81P後ろから4L~)

○彼ら天才の秘密は何か。それは「夢」である。…「こうありたい」という夢から逆算して現在を語れる人間が真に未来を語れる人間なのだ(99P2L~)

〇いやというほど恥をかき、歯を食いしばって恥のトンネルを潜り抜けた者だけが、最高の栄誉を手に入れられるのだ。恥ずかしさにどこまで耐えられるかが、大きく成長するか否かの分岐点である(139P後ろから5L~)

〇「感情が運命を大きく左右していることに気づきなさい。感情のコントロールができる人が、人生の勝者です」(教育家・牧師 ジョセフ・マーフィー)(165P後ろから2L~)

◎傷つくことを恐れていては何も始まらない。しかし、始まらなくても終わりは来るのが人生だ…必要なのは勇気だけ。それも蛮勇でいい(211P後ろから3L~)

…は中途略を表わします

[感想]

「どれだけ思索したかで人格、教養、つまり人間的魅力は決まるといっても過言でもない」という一文がありました。その人の人間としての幅もそういうことに出てくるし、また、その人の持つギャップに惹きつけられたりもします。教養というのは単なる知識ではなく、自分の弱さや愚かさを外に露呈させてしまうのを、感情のブレを抑えてくれるものであったり、自分と違う人を受け入れる受容力なのではないかと最近になって気がつきました。文中の「ろくでなしの魅力が理解できるか」、「理解を示すだけで人はついてくる」というのも、実は本当の教養があってこそだし、目に見えない本物の力であるように思います。

「決断の速さは大きな魅力である」とか「人は言葉遣いで判断される」とか「さり気なくができる人」とか、そうだよね、こういう人は魅力的だよね、という一つひとつが並んでいます。この本のテーマは「魅力のつくり方」ですが、「魅力をつくる」というよりも、これは自分にもできそうだ!これは絶対に必要だなというものを選んで磨いているうちに少しずつ人を惹きつける力を得られそうです。

大事なのは単なるハウツーやスキルではなく、いい方面での自分らしさを培っていくこと。いい仕事をしている人はやっぱりいい顔になってくるし、幅があって、いろいろなことを知っている人との会話はやっぱり魅力的。「華がある」と言われる人は人間的魅力がある人たちなのでしょうが、でもその魅力とは見せるものでなく、溢れるもの。何かしら内面から溢れるものを持てるように、品性は今さら磨けないかもしれないけど感性を磨いていたいし、そのために必要なのが「師と仲間と教養(本)」であり、それに行動力が備わったら言うことなし!だなと思います。

[和田のコメント]

川北さんのベストセラーといえば「男の品格」であろう。この「人間的魅力のつくり方」にしても川北さんの焦点でもあるが、「人間として生まれてきたからにはいかに納得した人生を送るのか?」ということに尽きると私は思っている。

「魅力的に生きるには魅力的な人間にならなければならない」「品格のある男になるためにはそうなる生き方をしなければならない」ということである。そのためにはどうするのか、どう日々を生きるのかを教えてくれている。

人間的な魅力は外面的魅力と内面的魅力に大別される。外面的魅力とは容姿、ファッション、メイク、笑顔、姿勢、マナー、しぐさ、振る舞いなど、見た目である。

内面的魅力は気配り、思いやり、優しさ、謙虚さ、素直さ、力強さなど、内部からにじみ出る言動である。

自分の魅力を見直し、さらに魅力的になるための指針を与えてくれる本である。