日本は平和であるが、ほぼ毎日、自衛隊は他国の航空機が領空侵犯しそうになると、戦闘機を緊急発進(スクランブル)させて監視や警告にあたる。自衛隊は防空識別圏を全国28ヶ所のレーダーサイトで監視している。
緊急発進を担うのは千歳基地、小松基地、那覇基地などの戦闘機を配備する基地である。2016~2020年度の5年間で緊急配信は4743回だったという。このうち3分の2が中国機への対応であった。
自衛隊機による緊急発進が始まったのは1958年(自衛隊発足から4年後)からで主にソ連機への対応だったという。まさに米ソ冷戦時代であった。1984年度が944回で冷戦期の最多で、冷戦後、最も少なかったのは2004年度の141回、その後は対中国の発信が増えている。2016年度に1168回で過去最多になった。
緊急発進も世界経済の動向に関係していると発表。石油危機の73年度や79年度、リーマンショックの2008年度、そして20年度は新型コロナウィルスの感染拡大で世界経済が大きくへこんだことに影響を受けている。
これからの中国と米国、米国と台湾の関係の状況によって、日本周辺は危機になる。その動きの目安がスクランブル発信であることを知っておこう。
航空自衛隊のF-2戦闘機(写真出典:航空自衛隊)