「ワダのその時、思ったこと、感じたこと」 (2021/9/15 №88)

グローバル企業は災害対策の備えで株価も左右される

グローバル企業にとってリスクへの対応は年々厳しくなっている。その代表的なものといわれているのが温暖化などで発生している大型ハリケーンや台風による被害である。

2017年に米国を襲ったハリケーンは史上最大であった。英国の英調査会社ペントランド・アナリティクスが米国で年間売上高50億ドル(約5,500億円)以上の2017年のハリケーンによる被害額を開示した企業の株価を2017年を通して分析したところ、S&P500種株価指数を構成する企業に比べて株価は平均5%低いことが判明した。

そのマイナス分を全時価総額にすると180億ドル(約2兆円)に達するという。

つまり、以前と違い、市場(マーケット)や投資ファンドなどは自然災害を受けた企業を過去においては「運が悪かった」ですませていたが、今や「経営がずさん(リスク準備をしていない)」に変わったという。

昨今のG7などでも議論されているように、温暖化による災害は年々、大きくなっていることがわかってきている。だからこそである。

今、グローバル企業にとっての最大のリスクは自然災害、サイバー攻撃、サプライチェーンのストップであり、これが三大リスクとしてとらえられている。

このことは中小企業にもあてはまることである。

イラスト Matt Kenyon/Financial Times