会社の経営状態のデータをビジネスとしている調査会社の倒産についてのデータによると「創業者の一代目で7%、二代目が33%、三代目は60%」という数字を見たことがある。つまり、三代目で90%が倒産するということになる。
おおよそ三代目だと創業から60年前後ととらえるのが私は一般的であると思っている。つまり社長は一代としては20年くらいということである。
日経新聞がもう30年以上前に「会社の寿命は30年」ということを発表し、話題になった。これには二つの意味がある。一つは30年も経つと、時代、時流が全く変わってしまう。つまり、その時、栄えた産業や業種が陳腐化して、消費者に受け入れられなくなってしまうことになり、それに対してイノベーション出来ず、消滅してしまう。
1970年代、80年代に全盛であった小売業の「量販店」はまさにその代表例である。ダイエーは消滅したがイオン(かつてはジャスコ)はショッピングモールなどディベロッパー業に上手く変身して生き残っている。これは二つめの理由として「後継者の差」であると私は思っている。量販店盛衰の代表例である。
長い間、このコンサルタントの仕事をしていると、残念であるが、倒産した会社も数は少ないが付き合ってきた。倒産の理由は「社長の能力がなかった」と言ってしまえば、それまでであるが、①数字、つまり財務に弱い ②過度の投資 ③急激な成長(膨張と言ってもよい) ④人財育成がヘタ 等々の原因が多い。
自分の能力以上のことをすると、なかには「ラッキー!」もあるが、原因があっての結果である。そこに経営の難しさがある。
先人の教えの中に力相応、倹約精神、謙虚、お客様第一、社員を大事に、改善・改革、三方よしなどがある。これを経営の原理原則とも言う。こういうことを実直に実践した経営、商売をするかによっての結果である。
そして、倒産した社長をみると、まず再起できる人はほんのわずかである。まさに再起するための〝ツキ〟がなくなってしまうがごとくである。
かつて自らも倒産の経験をもち、「倒産しても起き上がろう」と「倒産した社長が再起できる手助けを」のための〝八起会〟をつくった野口誠一さんという方がいた。野口さんは既にお亡くなりになられているが、その野口さんの「再起ができる人の15ヶ条」を私は今も参考にしているのでご紹介します。
「再起ができる人の15ヶ条」
1. 素直な人、謙虚な人であれ 2. 明日のことで苦しむ、ダメな人は過去で苦しむ 3. 良質の仲間、友人を持つ 4. 目標を必ず設定する 5. 経営能力を高める努力 6. 感謝の気持ちを持ちなさい 7. 奉仕の心を持ちなさい 8. 絶対に病気はするな 9. 名参謀(協力者)を持て 10. 手と足を使い、汗を流せ 11. 二等兵になったつもりでやれ 12. 生活環境、人間関係を変えよ 13. 最新情報に敏感になれ 14. 人の言に左右されず自分の確固たる信念を持て 15. 自分が幸福になることを信じる 野口誠一氏(八起会会長/倒産した人達を救う会)の著書より
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