人生や経営の役に立つワダの一言(2022.1.21 №196)

 「食事五観文(しょくじごかんもん)」

今や当たり前になった「グルメ」という考え、「豊食」という言葉、そして最近は「食品ロス」である。

作物を作るのにも土や太陽や雨といった自然だけでなく水耕栽培など工業的に作物を作る技術も発達している。

京都の名刹・天龍寺の精進料理をいただいた時に精進の世界で「食事五観文」があることを知った。一言でいえば「いただきます」と「ごちそうさま」の二つである。

具体的な教えとして次の五つがある。

1.感謝の意味

この食物が食膳に運ばれるまでの数多くの人の労力と自然の恵みに深い感謝をする。

2.反省の意味

この食事を食べるにあたり、自分自身、日常生活においてそれに価するだけの徳行を積んでいるだろうかと自分自身に問いただす。

3.心静かに箸をとる意味

この食物に向かって貪(むさぼ)る心、厭(いと)う心を起こさない。その時、その場で出されたものを最高と思う。

4.良薬の意味

この食物は天地の生命を宿す良薬と心得ていただく。

5.道を積む、努力をする意味

目的を全うするための活動源であることを心に於いて食する。