人生や経営の役に立つワダの一言(2022.1.28 №197)
「人間は誰かをしあわせにするために懸命に生きるのだ」
作家の伊集院静氏のエッセイ集「大人の流儀8 誰かを幸せにするために」の中で、彼の最初の妻だった女優、夏目雅子さんが白血病で戦っている様子を書いた章の締めの言葉である。
夏目雅子さんは伊集院静氏と結婚した一年後、27歳で亡くなった。伊集院氏はエッセイの「三十三年目の秋」の中で夏目さんが重症の白血病にもかかわらず、常に明るい笑顔でいる様子を書いている。
ある時、夏目さんが伊集院氏に「私といる時はなるだけ笑っていてください」と、そして「あなたが笑ってくれていたら、私は一番嬉しいんです」と言う。笑うのが大の苦手の伊集院氏であるが…。そのやり取りの中で闘病する夏目さんの彼に対する愛情の深さを感じる。
どんな苦しい時も笑顔でいる、その苦しさを氏には見せたくない、そんな想いが伝わってくる。彼女の「自分はこんな状態だけど、愛しい人には笑顔で幸せになって欲しい」という気持ちを伝える言葉である。