和田の本棚(2018.1 №4)

和田の本棚

和田の書棚から「気になった一冊」をとりあげて紹介いたします。

 指導者の条件 松下幸之助 に対する画像結果指導者の条件

著 者:松下幸之助

発行所:PHP研究所

1975年12月1日第1刷発行(定価:740円)

2006年2月27日に新装版発行(定価:税込1028円)

 

 <本紹介>

「本書は一面において、いわば自分の勉強のための教科書のようなもの…私自身これを座右において、日々自分をただす資としていきたいと考えています」と記されているように、経営者としての豊かな体験をもとに人心の機微、人を動かす秘訣が多くの事例をひきつつ具体的にのべられている。

 <気になった言葉>

いずれもあとがきの言葉である。

(先人からの学びより指導者のあり方について述べた)「百二カ条すべてについて…ある項目について全くゼロだというような人があれば、いかに他の点ですぐれていてもその人は指導者としての資格に欠けるものがあるといわなくてはならないと思います」

「それができていないのは、結局、人間特に指導者が、自分の利害とか感情、欲望、一個の知恵などにとらわれて、素直な心を失っている面があるから」

「素直な心こそ、指導者にとって、またこれから指導者たらんとする人々にとって、さらには人間としての一番大切な基本の心がまえだといえましょう」

※文中の(…)は「中途略」の意味です

 

[感想] 今から42年前に発刊された本である。当時の本を手に取れば、大方の本は、その筆の堅苦しさや読みにくさを感じてしまいがち。でも、この本にはそれがない。松下幸之助氏が「なるほど、こういう時にはこのように考え、行動しなくてはいかんな」と感じたことをそのまま記していったような「素直さ」が根底にあるからだろうか。

最後に内容索引があり「自分を高めるために」「人を生かすために」など9つのテーマそれぞれに、そのために必要な項目とそれについて述べたページが載っている。その日、目についたテーマだけを改めて読むのもいい。

[和田のコメント] 時々、松下幸之助が晩年に最も力を注いだPHP研究所に伺うことがある。いつも驚くのは、幸之助翁の考え方や書物を言葉として残している膨大な「知恵蔵」である。幸之助翁のすべての歴史を形として残しているのもすごい。その幸之助翁博物館ともいうべき中に、最も大切にされてきた「素直な心」という言葉の十カ条がある。

 

「素直な心」

一、私心にとらわれない
二、耳を傾ける
三、寛容
四、実相が言える
五、道理を知る
六、すべてに学ぶ心
七、融通無碍
八、平常心
九、価値を知る
十、広い愛の心