カゴメといえば、トマトケチャップ、トマトジュースでは日本で№1の会社である。しかし今や野菜果実飲料で50%超のシェアを獲る。その代表商品が「野菜生活100」だ。
カゴメは「機能性表示食品」の強化に力を入れており、「野菜生活100Care+(プラス)」には「肌の潤いを守る」機能を表示した商品と「身体を温かく保つ」機能を表示した商品の2種類がある。
一番のマーケティングは日本人の野菜摂取推進の「野菜をとろう、あと60g」だ。会社の戦略は「トマトから野菜の会社への脱皮」なのである。
さらにもう一つ、マーケティング的にも経営戦略的にも「ファン株主の重視」がある。2001年から個人株主数を増加させているが、それはカゴメの消費者に株主になっていただくということである。2001年に6,500人ほどだった株主数は2020年で約19万人になったようだ。全体株主の99.3%を個人が占めているという。
「個人株主の方がはそうでない客と比べてカゴメの商品を約10倍買う」というデータも出ている。社長自らが1グループ10人ほどの株主と年4回ほど、最近の活動報告をしたり、参加した株主から商品などの改良点などの意見も聞くという。
また株主の人たちには野菜の重要性と魅力を広める手伝いもお願いしている。カゴメオリジナルの野菜検定をつくり、合格した人を「株主野菜アンバサダー」として認定、2,500人の株主が検定に合格しているそうだ。
つまり「消費者」←→「株主」←→「固定客」←→「信奉客」という方程式が成立している。凄い会社である。