3月の半ばに東京電力柏崎刈羽原発で発生した社内ではあるが、「IDカードを使って中央制御室(原発の心臓部)に不正入室した」というニュースを聞いてまさに驚愕した。
原子力規制委員会は「発電所内の監視装置が長期にわたり故障していた」と明らかにしている。これは外部からの侵入も簡単にでき、4段階ある安全上の重要度のうち、最も深刻なレベルの評価だ。
福島の原発のあの状況を抱えながら、この有様である。一言でいえば、マネジメント能力、管理能力がなく、リスク対策が全くできていない。スパイやテロリストも簡単に入り込める状態である。この問題は東電の体質もあるかもしれないが、日本のサラリーマン体質(我が事として責任を負わない)ということである。
どんな大きな会社であろうと「現場」を見なければ本当の改革、改善はできない。それはトヨタの社長やユニクロ、日本電産の社長も言う。
原発は一企業の問題ではない。国家・地域の破壊をもたらすことは福島が証明している。恐ろしいことが原発で起こっているような気がする。